鵜戸神宮

日南海岸の切り立った断崖にひっそりと建つ鵜戸神宮（うどじんぐう）は、岩壁に開いた洞窟の中に本殿を構えるという、全国でも類を見ない神社です。神話に登場する神々を祀り、古くから多くの参拝者に親しまれてきました。

一般的な神社とは異なり、参道を階段で下ってから本殿へと向かうため、「下り宮」と呼ばれるのも特徴的。その神秘的な佇まいは、訪れる人の心に深く残る光景です。

参拝の後にぜひ体験したいのが「運玉」と呼ばれる願掛け。男性は左手、女性は右手で願いを込めながら岩のくぼみを目がけて小さな玉を投げ入れます。見事に入れば、願いが叶うと伝えられていますね。

海を望む岩場で挑戦する運玉は、参拝の締めくくりにふさわしい神聖なアクティビティ。運試しとしても人気があり、多くの人が真剣な表情で玉を手にします。

自然と神話、そして祈りが交差するこの場所。旅の記憶に刻まれる、唯一無二の体験となるでしょう。



　

一心鮨 光洋

一心鮨 光洋は、1973年に創業された老舗の寿司割烹で、長年にわたり確かな技術と美意識で多くの食通を魅了してきました。季節感あふれる握りや繊細な一品料理に加え、飲み物との組み合わせにもこだわりが光ります。

まだ「ペアリング」という言葉が浸透していなかった時代から、料理と酒の相性を追求してきた先駆者的存在。今や当たり前となったペアリング文化を、この店はいち早く形にしていました。

例えば、米の旨みと透明感のある味わいが特徴の「東洋美人 純米吟醸」は、白身魚との相性が抜群。また、華やかな香りが特徴のイタリア産ワイン「ポイエル・エ・サンドリ トラミネール アロマティコ2023」は、脂ののったネタとともに味わいたい一本です。

日本酒・ワインともに選りすぐりの銘柄が揃っており、そのラインナップの豊かさに驚かされることでしょう。料理をより一層引き立てる名脇役たち。

寿司という伝統に、洗練された現代の感性を加えた一心鮨 光洋。訪れるたびに、新たな味の世界が広がりますね。



　

高千穂峡

高千穂峡は、阿蘇山の火山活動によって約9万年前に形成されたとされる、宮崎県を代表する峡谷です。切り立った柱状節理の岩壁が川沿いにそびえ立ち、まるで神話の世界に迷い込んだかのような神秘的な風景が広がります。

峡谷内にある真名井の滝は、高さおよそ17メートル。水が白糸のように岩肌を流れ落ちる様子は、見ているだけで心が洗われるような美しさです。その魅力は全国に知られ、「日本の滝100選」にも選ばれている名瀑ですね。

特に人気なのが、ボートを漕いで滝の真下まで近づく体験。貸し切りの手漕ぎボートから見上げる真名井の滝は、陸から見るのとは一味違った迫力と感動があります。水しぶきの中で自然の息吹を肌で感じられる貴重な時間。

静かな水面に漕ぎ出せば、周囲の岩肌や滝の音に心が包まれ、日常の喧騒を忘れさせてくれます。まさに五感で味わう癒しのひととき。

訪れるなら朝の時間帯もおすすめです。柔らかな光が峡谷に差し込み、幻想的な光景が現れますよ。



　

くしふる神社

くしふる神社は、神話の舞台として知られる「くしふる峰」を御神体とする、霊験あらたかな神社です。天照大御神の孫である瓊瓊杵尊（ににぎのみこと）が地上に降り立ったとされる場所にゆかりがあり、古くから神聖な地として大切にされてきました。

かつては自然そのものを信仰の対象としており、峰そのものを神と見なしていたといいます。現在は瓊瓊杵尊をはじめ、大国主命や天児屋根命など、国譲り神話に登場する神々が御祭神として祀られていますね。

境内の参道を進んだ先にある「高天原遥拝所」も見逃せません。ここは、地上に降りた神々が天の世界・高天原を懐かしく思い、遠く仰ぎ見たと伝えられる場所。森の静けさの中で、遥か神代の時代に思いを馳せることができる特別な空間です。

神話の息づかいが感じられるこの神社は、観光というよりも祈りと再生の時間を与えてくれる場所。神聖な気配に包まれて、心が澄んでいくような感覚になります。

日常の喧騒から離れ、静かな自然とともに神々の物語をたどる旅へ。心の内側が静かに整っていくのを感じるはずです。



　

荒立神社

荒立神社（あらたてじんじゃ）は、古代の神話に登場する二柱の神様、猿田彦命（さるたひこのみこと）と天鈿女命（あめのうずめのみこと）ゆかりの地に鎮座しています。神話では、天孫降臨の際に道案内をした猿田彦命と、天岩戸の前で舞を披露し、神々の心を和ませた天鈿女命が夫婦となり、この地に住んだと伝えられています。

このことから、荒立神社は「夫婦和合」「道開き」「芸能上達」といった御利益で知られ、多くの参拝者が訪れる場所となっていますね。特に、芸事に励む人々にとっては、天鈿女命の存在が心強い守り神となっています。

天鈿女命は、天照大御神が天岩戸に隠れた際、神々の前で踊りを舞って場を明るくしたとされることから、芸能の神様として信仰を集めています。芸事や表現活動に携わる人々にとって、この神社は特別な意味を持つ場所でしょう。

また、境内はどこか温かみがあり、訪れる人の心を和ませてくれます。願いごとを込めて一礼すれば、神話の世界に少しだけ近づいたような感覚になるかもしれません。

素朴ながらも凛とした空気が漂うこの場所で、心静かに手を合わせる時間。大切にしたいひとときです。