大阪の歴史あるビジネス街の一角に、1830年から続く老舗和菓子店「菊壽堂義信（きくじゅどうよしのぶ）」があります。創業以来、変わらぬ手仕事の味を守り続けてきたこの店には、地元の人々だけでなく、和菓子好きの間でも評判の逸品が存在します。それが、伝統のあんころ餅「高麗餅（こうらいもち）」です。

あんころ餅と聞くと、どこでも食べられる素朴な和菓子というイメージがあるかもしれません。しかし、菊壽堂義信の「高麗餅」は、その概念を覆すような奥深い味わいを持っています。驚きの声をあげたのは、普段あまり甘いものを食べないという久本さん。ロケで訪れた際にこの高麗餅を口にし、その美味しさに思わず感嘆したそうです。

一体何がそんなにも特別なのか。その秘密は“握りたて”にあります。菊壽堂義信では、高麗餅をあらかじめ作り置きすることはしません。注文が入ってから、職人が一つひとつ丁寧に手で握って仕上げるのです。この「にぎりたて」という発想、まるで和菓子の世界ににぎり寿司のような繊細さとライブ感を持ち込んだかのような工夫。口にしたときの柔らかさと、こしあんの滑らかな舌触りに思わずうなってしまう、そんな完成度です。

200年にわたって受け継がれてきた職人の技。日々変化する気温や湿度にあわせて、餅のつき方や餡の水分量を微調整するという、まさに職人ならではの感覚の世界がそこにあります。代々続く手の技は、機械には決して真似できない味わいをつくり出しているのです。

素朴でありながら、洗練された一品。派手な演出ではなく、素材の良さと職人の技術だけで勝負する潔さ。高麗餅は、まさにそうした日本の伝統美を象徴する和菓子といえるでしょう。

ビジネス街の慌ただしさの中で、ふと立ち寄った老舗の店先。そこで手にした高麗餅は、時間の流れをゆるやかに戻してくれるような優しい味がします。和菓子に馴染みのない人でも、その一口が新たな発見になるはずです。

老舗でありながら、驕ることなく一つひとつ丁寧に作り続ける姿勢。その静かなこだわりが、菊壽堂義信の和菓子に宿っているのですね。



　

今回は菊壽堂義信を紹介しました。

旅行やお出かけにピッタリですし、 一生の思い出に残る名スポットですので是非訪れてみてください。

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